身体を横たえて耳をすますと、雨音が聴こえる。静かな春の雨。空気も柔らかく、呼吸も穏やか。ふと、視界の先にある記憶が、さらりと流れ出す。時間は、流れとともに状況に変化をもたらす。望む、望まないなどの意思は関係ない。ただただ、流れのままに。美しきは、我にあり。悪しきも、我にあり。どちらも表裏一体で、変わらぬのは、流れているということ。
穏やかな雨音の中、思い出すのは、水仙の香り。
今週の昼膳
土鍋炊きの白飯
いりこ出汁のお味噌汁
青菜のおひたし
玉子豆腐
ふろふき大根
ふきのとうの天ぷら
飛竜頭のあんかけ
八頭の揚げもの
塩豚のスープ
お漬物二種
柚子のソルベ
冬のお菓子も、お別れの季節。芽吹きの春が始まっている。