日が暮れかけて、夕涼みに散歩へ。久しぶりに小高い田圃の上へ。日中照らされ続けた農道は、この時間になっても、熱を帯びて、寝転ぶと岩盤浴のよう。寝転んだ地面から広がりゆく景色は、夕焼けと月。空の彩色は刻一刻と変わりゆく。ある時間を境に、カナブン達が一斉に飛び出した。山の奥からは、猪たちの歩く音。竹やぶが音を響かせている。ひぐらしなど蝉の声が、徐々に止んで行く。空は夜に向かって、トーンを落としている。代わりに声を上げ出したのは、蛙たち。そして、周りが静かになっていくと、風の囁きが辺りを包み込む。そんな時間に、私はひとりじっと耳を傾けている。
今週の昼膳
土鍋炊きの白飯・いりこ出汁のお味噌汁・つるなのお浸し・玉子豆腐・翡翠茄子のジュレ添え・山椒薫りの白和え・塩豚の生野菜添え・季節のかき揚げ・切り干し大根の煮物・お漬物三種・柚子のゼリー
