1日仕込みをして、夕方バスで羽田空港へ。打ち合わせ場所に、割と便利な場所だ。空港へ向かうバスからは、三日月と暮れ行く空と、湖水の水面。ため息が出る程に美しい。僅かな光を反射した湖面は、留まることなく漆黒に包まれていく。ふと眠りに落ちて、気付くと空港に。慌てて飛び降り、寒さに震えて、またもや慌てて自動ドアに向かう。賑やかな人通り。家族連れ。煌びやかなモノたち。ぶらりと歩いていると、父がサラリーマンだった頃、スーツを仕立てていたお店が入っていた。買い物の大嫌いな父の代わりに、大体のサイズを元に、私が買ったものだった。お店の人にはいつも怪訝な顔をされたが。「身体を服に合わせるからいい」と父の口癖が、懐かしい。これまで、本当にもう会えない別れを重ねる度に、生を実感してきた。私にはいつも黒か白かしかない。中間色という曖昧さが苦手だ。曖昧が優しさではなく、逃げとなると、結局のところ人を傷つけるから。どちらに転ぶかは紙一重。どちらともとれる状況だと、それもまた苦しみを生む。死ぬこと、生きること。それくらいのシンプルさで、もういいよ、と自分に言い聞かせる夜。
今週の昼膳
土鍋炊きの白飯
いりこ出汁のお味噌汁
青菜のおひたし
玉子豆腐
蓮根のきんぴら
里芋の揚げ餡掛け
季節のかき揚げ
塩豚のスープ
ふろふき大根
お漬物2種
柚子のゼリー
今週もどうぞよろしくお願いいたします。
焚き火は楽しく、炎は美しい。